『将来、働きたい!』を叶えるための極意

  就労移行支援事業所 ワークステーション未来管理者 赤壁省吾

 私は、天満病院グループの社会福祉法人みらいで就労グループリーダーとして、就労移行支援及び継続支援事業所の管理者として業務を行っています。前職場の天満病院では、子どもの言語聴覚療法に長年携わってきたこともあり、幼児期〜青年期までのお子さんの発達に併走しながら関わらせていただいています。発達障害は先天的な脳機能の障害で、発達のアンバランスさから環境との相互作用を受けやすいため、早期の診断と療育から長期にわたり、特性に応じた一貫した対応が良い効果を上げます。そして、発達年齢によっても関わり方や支援方法は変化し、就学や就職等の社会との接点が拡がるライフステージの変化に応じて、ご家族とご本人への発達支援と地域支援がより重要になってきます。特に器用に生活ができる方は少なく、十人十色で個々に応じた支援が必要とされています。

 発達障害の中でも青年期、成人期になると、圧倒的に相談件数が多くなるのが自閉スペクトラム症の方々です。他者の感情を共有する、またはその感情に至った過程に共感するといったことが難しく、コミュニケーションの苦手さから社会との折り合いがつけにくくなり対人関係上のトラブルを生みます。対処の方法として、ご本人の自己理解や、周囲の方の特性理解が必要と言われており、他者との物事の捉え方の違いなどを理解していくことが求められます。この自己理解は、しなやかに対応できる柔軟な折れない心と言われるレジリエンスとも密接につながっています。誰しも、「多少のトラブルがあっても、仕事もしながらそれなりにやっていけたらいいか」と思うかもしれません。しかしその対応力は、支援者や保護者が幼児期から自己理解を意識して関わり、学齢期に自己理解を高め、経験を積み重ねることによって培われますので、思春期、青年期に、自己開示ができる内面の自己認知能力に成熟できるよう、育てていく取り組みが必要です。

今回の講義の中では、自己理解を含む「働きたい!」を叶える極意として

①通訳ガイドの役割について
②『第三者の視点』を持つこと
③子どもの強みを理解し尊重すること
④長い見通しを持って自己理解を積み重ねること
⑤社会のルールを教えること
⑥子離れを意識し自立の取り組みを考えること    

この6つのポイントをご紹介させていただきます。支援が必要なご本人が人から支援をしてもらうことを前提としながらも、いずれは「自分のことは自分で支援できる」ことを目指し、支援力を高めるヒントになればと考えておりますのでどうぞよろしくお願い致します。

※赤壁省吾先生のセミナー「将来働きたい!を叶える極意」は、OnlineバリフリBOXプレ企画、10月25日(日)13:00~、ZoomのYouTubeLive配信でお届けします。本会YouTubeチャンネルでご視聴ください。詳しくは、OnlineバリフリBOXのプログラムをご覧ください。

利用者さんのアートです♪